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お台場の空

カルロスさんのツィを見て、なんだかしみじみとしました。
あまりにも象徴的な画ですね。


少しだけ創造力が湧いたので書いてみます。

妄想小説がお好きな方だけ、おすすみください。

※あくまでもドリカンの妄想なのであしからず・・・(^ ^;Δ フキフキ





↓どうぞ。


相変わらず忙しい湾岸署。
すみれもずっと昼食が食べられず不機嫌である。

森下は、申し訳無さそうにすみれに声を掛けた。


森下  「すみれさん、テレポート駅のスリ事件報告書出来ました・・・」
すみれ 「お疲れ様、そこに置いといて。」
森下  「あのぉ・・・さっき課長から早くみてもらって提出するようにって催促されたので、出来たら早く見てもらえると・・・」


すみれが不機嫌なのが分かる課長は言いやすい森下に催促していた。
キッ!と睨み返すすみれ。


すみれ 「分かってるわよ、いいからそこに置いておいて!」
森下  「は、はい・・・・」


すごすごと退散する森下。

そこにたまたま通りがかった真下署長がすみれに声をかける。
真下はひまなので、ちょくちょく刑事課に来ているようだ。


真下  「すみれさん、あんまり怒ってばっかりだと眉間にシワが出来ちゃいますよ」
すみれ 「うるさいわね!あんたみたいにひまじゃないんだから、仕事の邪魔しにこないで!」


署長になろうが、真下はやはり真下としての扱いしか受けていないらしい。

すごすごと刑事課をあとにする真下と入れ替わりに、慌しく夏美が入ってくる。
どうやら青島を探しているようだ。


夏美  「あ〜〜もうどこ行っちゃったのかな〜〜〜〜 あ!すみれさん、青島さん知りません?コートも無いし、どこ行っちゃったんだろう・・・」
すみれ 「知らないわよ、もう」
夏美  「ホント係長、デスクワーク嫌いなんだから・・・すぐ居なくなっちゃうんですよね」


そう言うと、また走り去っていく夏美。
イライラしているすみれは机の上に溜まった書類に視線を落としながら・・・
自分も係長になって、書類事が増えて辟易している。
ちょっと青島の気持ちがわかる気がした。


すみれ 「なんで係長になんかなっちゃんたんだろう・・・・」


そうひとりでつぶやいて、ふと時計を見上げるともう3時を過ぎている。


すみれ 「ごはんくらい、ゆっくり食べたいよね〜〜〜」


そうつぶやくと、ニコッとしながら引き出しを開け、カップラーメンを取り出し、席を立つすみれ。
森下が声を掛けたそうに目線を向けるが、全く意に介せず部屋を出て行ってしまう。

がっくりとうなだれる森下、きっと叱られるのは彼なんだろう。


お湯を注いだカップを大事に持ちながら、屋上へ向かうすみれ。
お昼時はけっこうみんながお弁当を食べたりする空間だが、この時間なら誰も居ないだろうと・・・

扉をそ〜〜と開け、様子を伺うすみれ。
誰も居なさそうなので屋上に出る。

まだ少し風が冷たいが、それも心地よい。


ふと机の上にコートが置かれているのに気付くすみれ。


すみれ 「あれ?青島君のコート・・・」


周囲を見回してみたら、死角に人影が・・・


すみれ 「そこに居るのだれ?」


両手を挙げながらゆっくり出てくる青島。


青島  「みつかっちゃいました?(汗)」
すみれ 「あ〜〜〜青島君、さぼってる!さっき夏美さんが探していたわよ!」
青島  「ごめんごめん、なんか疲れちゃって・・・・」
すみれ 「だめじゃない、係長がさぼってちゃ」


ちょっと、むっとする青島、すみれさんの持つカップラーメンを指差しながら


青島 「すみれさんだって、さぼってるじゃない」


少し狼狽しながら、イスに座るすみれ。


すみれ 「さぼってなんかないわよ、今日なんてずっと書類整理で、お昼も食べてなかったから・・・」
青島 「ごはんくらい、ゆっくり食べたいよね〜〜〜」


さっき自分がつぶやいたのと同じ言葉を聞き、ふっと笑うすみれ。

からかったつもりだったので、反撃されると思っていたのでちょっと拍子抜け(^^)


すみれ 「青島君、ここでよくさぼってるの?」
青島  「さぼってる。。って失敬な、業務の効率を上げるのも係長の仕事。少しの休息は業務の効率を高めるし、それに煙草吸えるとこ少なくなってきちゃったし・・・」
すみれ  「ほら、やっぱさぼってる(笑)」


しまった・・・って言う顔をしながら、深々と頭を下げる。


青島 「もうしわけありません」


笑うすみれ。


すみれ 「係長って、なんかめんどくさいね〜〜」
青島  「やっと分かった?(笑)」
すみれ 「偉そうに、ちょっと早く係長なったくらいで・・・」
青島  「報告書や申請書、なんであんなに書類多いんだろうね」
すみれ 「ホント、お役所はいやだよね」


ふと空を見上げる青島。

少しの静寂。


青島  「空を見てると、なんかいつも不思議に思うんだよね。」
すみれ 「あ〜〜〜やっぱり、いつもさぼってるんだ!」


まぁまぁと手招きしながら続ける。


青島  「なんか人を傷つけたりとか騙したりとか盗んだりととか、嫌なことばっかり起こって嫌になっちゃうけど、こうやって空を見てると癒されて、カナダの空を思い出すんだよね。」
    「だって、この空はカナダまで繋がってるんだよ!」


子どもみたいだなと思いながらも、黙って聞き続けるすみれ。


青島  「カナダの空って綺麗なんだよね〜〜〜青くて、高くて・・・・でもね、この前思ったんだ。お台場の空も捨てたモンじゃないな・・・って。みんなが空を見て、この空みたいにみんな繋がってる・・・って言う実感が湧けば、人を傷つけたりとかしなくなるんじゃないかな・・・ってね。下を向いてばかりじゃなくて、たまにはこうやって空を見上げるとね、み〜〜んな!空を見て!って思うんだ。不平や不満は確かにあるけど、お天道様って平等に照らしてくれてるじゃない。だからみんな人を傷つけ合うんじゃなくて、助け合えば、もっと街も平和になって・・・そうなれば、俺たちの仕事も減って・・・・・ってことは、そうしたら俺たち失業しちゃう???・・・・あれ?何が言いたかったんだっけ・・・汗」


言いたいことがごちゃごちゃして来て、頭をかしげる青島。
暖かく微笑むすみれ。


すみれ 「青島君って、そんなこと考えてるんだ。なんか意外(笑)」
青島  「意外。。って、すみれさん、失礼だな。」

すみれ 「でも、なんか分かる気がする。」


どっちなんだよ・・・って、青島が言いかけた時に、けたたましく扉を開けて和久君が飛び込んでくる。


和久  「青島さん、探しましたよ!!テレポート駅でスリの容疑者を取り押さえようとした乗客が振り払われて軽症、容疑者逃走中!!」
青島  「なに!分かった、すぐ行く!!」
和久  「早く!青島さん!!」


慌てて駆け出す二人。
ふと足を止め、青島が振り返る。


青島  「すみれさん!スリ容疑だからすみれさんも早く!!」
すみれ 「分かった!すぐ行く!」


カップラーメンを持って立ち上がろうとした時、ふと青島のコートが目に入る。


すみれ 「青島君、コート!!」


その声は届かず、二人はけたたましく走り去っていく。


すみれ 「もう・・・」


そうつぶやきながら、カップラーメンを机に置き、コートを取り上げようと伸ばした手がふと止まる。



すみれ 「あなたはもうちょっと空を見てる?」



微笑みながらコートに話しかけた後で、カップラーメンを見て・・・



すみれ 「あなたも、一緒にね。」



微笑みながら駆け出すすみれ。






終わり

* 23:01 * comments(4) * - *
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 コメント
♪La.la.la.la.la.la.somebody tonight♪

二人を象徴する画、素敵でしたよね。
その画にあうストーリー、心がふわっと暖かくなりました。
私も明日、空を見てみよう(^^)
** 台場 * 2012/04/18 11:40 PM *
やっぱ、ラブサンが浮かびました?
あえて補足しなかったんですけど、分かりますよね(^^)

自分も明日空を見てみようと思います。


繋がってる・・・そう実感しながらね(^^)
** Dreams管理人 * 2012/04/18 11:44 PM *
いいなぁ♪
ドリさんストーリー大好きです♪
でも私だったら、カップ麺を急いで食べ切ってスープだけ残ったカップを残す、すみれさんにしちゃいます。
食いしん坊なので(笑)
** びっけ * 2012/04/19 1:04 AM *
びっけさん、コメントありがとね(^^)

自分も食べきってからとも考えたのですが、カップ麺のふたが結構しっかり閉じられていたので、このような描写にしました(^ ^;Δ フキフキ
** Dreams管理人 * 2012/04/19 10:49 AM *
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